特別支援を受けるプロセス

※レセプションクラスにおける評価及び支援はEYFSおよびSEND規範を枠組みと 
していますが(レセプションの基盤となる教育システム詳細は保育施設での特別支援プロセスをご確認ください)、その支援体系については在籍するSchoolに従うことになります。
※このページでは入学後に特別支援の必要性が特定され、支援プロセスを一から構築していくという前提で解説しています。
※保育施設からすでにEHCPを所持している場合やEHCP未取得であってもお子さんが明らかにSENのサポートを必要としている場合、入学前の段階から学校のHead TeacherやSENCOと保育施設やエリアSENCOが協働して引継ぎをすることがあり、このプロセスとは一部異なる場合があります。
※学校の種類によってはこの枠組みに従う義務がない教育機関も存在しますが、こちらではChildren and Families Act 2014 および SEND 実践規範で支援について定められている「Maintained Mainstream School(いわゆる公立現地校)およびMainstream Academy School」の例を基に説明します※ 
★教育システム・学校の種類についてのページは現在情報見直し・更新中★

特別支援介入の前段階で学校がするべきこと

SENがある、またはその可能性のある生徒に対応する最初のステップは「個別の
生徒に合わせた指導が行われること」です。追加の介入・支援は、質の高い授業が欠けている場合には補うことができないとされています。
また、保護者の声も重要であるとされています。
心配なことがあれば、生徒が持つ困難に気付いた保護者や教師などのスタッフがSENCOに相談するところからすべてが始まります。

特別支援介入の決定まで

特別支援教育を提供するかどうかを決定する際、生徒に関わる教師やSENCOは、その生徒の発達や上記のSENの具体的な内容・分野に記された4つの分野に関連する学校内で集めたすべての情報と、全国的なデータや進捗の期待値を照らし合わせて考慮するべきでとされています。
その際、生徒とその保護者と早期に情報共有を行い、特別支援の必要性について検討がなされます。このプロセスに当たっては、生徒と保護者の意見や希望は重要な意見の1つとして考慮されます。

特別支援介入のプロセス

生徒が特別な支援が必要であると判断された場合、学校の介入が始まります。
このサポートは、SEN Supportとして定義されています。
SEN Support はChildren and Families Act 2014 および SEND 実践規範を枠組みとして、学校や自治体が持つサポート体制や資源の中で行われます。
このSEN支援は、4つの段階からなるサイクルの形で行われる「段階的アプローチ」として知られており、詳細なアプローチや頻繁な見直し、専門的な知識を活用し、次のサイクルで支援を調整していきます。

1.評価(Assess)
生徒が特別支援を必要とするかを判断する際、学校では子どもを一定期間観察し分析する必要があります。その際はSENCOが主体となり、情報収集やアセスメントをしていくことになります。まず、生徒自身・クラス担任(Class Teacher)・他の科目を担当する教師・保護者などそれぞれの立場からの意見を基に、なおかつ他の生徒との比較、全国的なデータも加味しながら生徒の現状や抱える問題について明確にしていきます。場合によっては、すでに医療や社会福祉の専門家などの外部機関(発達支援関連:地方自治体のチーム、医療関連、言語・作業療法士など)が子供や若者に関わっている場合は、それらのアセスメントも踏まえる必要があります。これらの専門家も、評価を支援するために学校と連携するべきとされています。もし生徒のアセスメントや支援において新たに専門家の介入が必要であると判断された場合、SENCOは保護者の同意を得て必要な職種へ相談をする必要があります。これにより、支援や介入が生徒に合ったものでるか、状況が改善されているか、実施された介入とその効果に関する明確な記録が得られるようになります。

2.Plan(計画)
生徒にSENサポートを提供することが決定された場合、学校はAssess-Plan-Do-Reviewのプロセスを個別支援計画(学校によって名称は異なりますがISPやIEPと呼ばれていることがあります)として作成し、保護者はその計画内容を確認し同意する必要があります(学校によってはSEND Supportのに関する説明・同意の保護者会が設けられる場合があります)。生徒と関わるすべての教師や支援スタッフは、対象生徒のニーズ、目指すべき目標、提供される支援、必要な指導法やアプローチを共有すべきとされています。
一般的とされる計画の主な内容は以下の通りです
・アセスメント内容
・実施される介入、およびサポート
・支援の結果として期待される子供の変化・目標
・明確なレビュー日

3.Do(実施)
学校は個別支援計画の実施に関わるスタッフ(クラス担任(Class Teacher)や他の科目を担当する教師など)と計画内容を共有し連携しながら行う必要があります。SENCOは、生徒に関わる教師・スタッフをサポートし、支援の効果的な実施に関するアドバイスを提供すべきとされています。

4.Review(評価)
計画時に定めたレビュー日に、SENCOやスタッフが計画に沿って実施してきた支援結果をもとにした現状に関しての再評価を行います。その際には、生徒や保護者の意見も取り入れるべきとされています。ここで計画内容の変更が必要と判断された場合は再アセスメントともに計画の修正案を作成し、新たな計画をもとにした支援・介入の実行、レビューというサイクルを繰り返していきます。

学校は保護者と生徒の現状や支援状況について定期的に話し合い、今後の方針を共有しそれぞれの役割を明確にするためにも、学校は、少なくとも年に3回は保護者と面談を行うべきであるとSEND実践規範には定められています。学校はParents Evening(保護者面談)などでその機会を設けています。

学校内でのSEND SupportからEHCPへの移行

学校で上記のプロセスを踏みサポートを行っているにもかかわらず、生徒に期待される変化が見られない・学校の提供できるサポート資源を超えて支援が必要になると学校が判断した場合、次のステップとしてEHCPの取得へと移行する場合があります。
EHCPは地方自治体へリクエスト申請し、SENCOや自治体、他の専門家と協力しながらプロセスが進んでいきます。
EHCPを取得した場合、少なくとも年1回のレビューがあり、内容を見直します。
(EHCP詳細についてはこちらをクリック)

EHCP: Education Health and Care Plan
25歳までの子供または若者の特別な教育ニーズに対し、彼らが必要とするサポートを説明する法的な文書です。