SEN・SENDとは
SENとは:
「Special Educational Needs」の略です。
児童家族法Children and Families Act 2014(Section20)において、SENは「学習困難または障害があり、それに対応するために特別な教育的支援が必要である状態」と
加えて学齢期の子どもが学習困難または障害を持つ場合とは、
(a) 同年代の大多数の他者に比べ、著しく大きな学習の困難を抱えている場合。
(b) 障害があり、それが理由で、同年代の他者に一般的に提供される施設や環境を活用することが困難または不可能な場合。
としています。
SENDとは:
「Special Educational Needs and Disabilities」の略です。
上記のSENの定義に加えて、「身体的または精神的な障害があり、その障害が日常の通常の活動を遂行する能力に重大かつ長期的な悪影響を及ぼしている状態」
(平等法Equality Act 2010(Section6)Disability(障害)についての定義)が加わる状態を定義しています。
2010年平等法において障害の範囲は広く定義されており、これには、日常の活動に長期的(「1年以上」と定義)かつ重大な(「軽微または些細なこと以上」と定義)影響を与える状態が含まれます。
SEN・SENDともに特定の診断は必要ありません。あくまで子どものニーズと学習や日常活動への影響に重点が置かれます。
SENに関する4分野
SEND規範において、SENは主に4分野のニーズ「Communication and Interaction」・「Cogniton and Learning」・「Social, Emotional and Mental Health Difficulties」・「Sensory and/or Physical Needs」で構成されています。SENを持つこどもや若者の適切な行動と支援を決定することを目的として、これらの領域を特定する必要がると定められています。
この分野は、支援計画を立てるうえでも非常に重要な要素となります。
(学校のサポートやEHCPではこの分野を柱としてニーズ評価、計画立案、実施、レビューを行います)
これらの領域は独立しているのではなく、重なり合い相互に影響を及ぼしています。
【Communication and Interaction】
他者とのコミュニケーションについての困難と支援についてを指します。具体的には、「自分の思いを言うことができない」「話されていることを理解できない」「社会的なコミュニケーションのルールを理解したり使ったりできない」などが挙げられます。これらに関しての具体的な内容は時間とともに変化することがあります。
【Cogniton and Learning】
学習の困難と支援を指します。「学習の困難さ:Learning Difficulties」は軽度の学習困難(MLD)から重度の学習困難(SLD)まで幅広く定義されています。SLDを持つ子どもは、すべての学科で支援が必要なことが多く、運動能力やコミュニケーションに関連する困難を伴う場合があります。さらに、深刻で複数の学習困難(PMLD)を持つ子どもは、学習困難に加えて身体障害や感覚障害を持っている場合があります。 特定の学習困難(SpLD)はディスレクシア(読字障害)、ディスカリキュリア(計算障害)、ディスプラクシア(運動機能障害)などの状態も含み、学習の特定の側面に影響を与えるとされています。
【Social, Emotional and Mental Health Difficulties】
社会的・感情的な困難と支援を指します。例えば、引きこもりや孤立、または挑戦的・破壊的な行動、あるいは不安を引き起こす行動が見られることがあります。これらの行動は、背景に不安やうつ、自己傷害、物質乱用、摂食障害、または医療的に説明がつかない身体的な症状といった精神的健康の問題が隠れている場合があります。また、注意欠陥障害(ADD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、愛着障害などを抱える子どもや若者もいます。学校は、子どもや若者のために明確な支援プロセスを持つべきと記されています。これには、他の生徒に悪影響を与えないようにする方法も含まれます。
【Sensory and/or Physical Needs】
感覚や身体に関する困難と支援を指します。一部の子どもや若者は、教育機関で提供される一般的な施設を利用できない、またはその利用を妨げる障害を抱えているため、特別支援教育が必要とされています。これらの具体的な困難や必要な支援は年齢とともに変化することがあります。視覚障害(VI)、聴覚障害(HI)、または多感覚障害(MSI)を持つ子どもや若者は、学習にアクセスするために専門的な支援や機器を必要とすることがあります。MSIを持つ子どもや若者は、視覚と聴覚の両方に関する困難を抱えています。身体障害(PD)を持つ一部の子どもや若者は、他の子どもたちと同じ機会を得るために、追加の継続的な支援や機器が必要となることがあると記されています。