※このページではEHCPの申請から発行までについて、The Special Educational Needs and Disability Regulations 2014【2014 年特別教育のニーズと障害に関する規則】およびSEND code of practice: 0 to 25 yearsの内容を基に、そのプロセスについて日本語で解説しています。項目ごとに、信頼性の高い現地の大手解説サイト等のリンクもご紹介しています。
当ウェブサイトでは上記法律・実践規範に加えて、イングランドのロンドンの各カウンシル・主要都市のEHCP申請プロセスを確認し、共通する内容をまとめたうえで掲載しておりますが、法定で決定している以外の細かな期間や内容については自治体ごとに異なる場合があります。最新の情報および詳細については、お住いの自治体に必ず確認してください※
1.EHCPのニーズ評価を地方自治体へリクエスト(0週)
各地方自治(Local Authority; LA)が定めた文書や方法に従いEHCPのリクエストを申請します。
申請書はSENCOが主体となって作成することが多いですが、保護者が記入や聞き取りを必要とする欄もあるため、協働しながら作成します。
EHCPのプロセスに本格的に入る必要がある「証拠」を一緒に提出します。
例:学校や保育園からのレポート、医師の診断書、すでに専門家の介入などがあればそのレポート、親からのレポートなど
注意:医師からの診断書は証拠の1つになりますが、EHCPを取得するうえでの必須事項にはなりません。
有益な現地リンク
・Asking for an EHC needs assessment(IPSEA)
2.EHCPのニーズ評価を実施するかどうかの決定(1~6週:最大6週間)
地方自治体(Local Authority; LA)は、申請時に得た全ての情報を基にEHCPニーズ評価実施の必要性を検討します。評価を実施するかどうかを決定するまでに最大で6週間かかります。
申請後でも、LAの定める期間の基に追加情報を送付することもできます。
ニーズ評価実施が承認された場合 :
地方自治体(Local Authority; LA)より決定通知が申請者へ送付されます。EHCPの発行が必要かを判断するために、必要な専門家等からアセスメントを受けて情報を収集していくことになります。
ニーズ評価実施が拒否された場合 :
LAより決定通知書が申請者へ送付されます。この場合、通知決定書に記された日付から2か月以内にSEND裁判所(SENDIST)へ控訴を行う権利を得ることができます。指定された調停機関で、調停証明書を発行する必要があります。
有益な現地リンク
・Asking for an EHC needs assessment(IPSEA)
3.EHCニーズ評価の実施(6~12週)
地方自治体(Local Authority; LA)に申請された情報を基に、子ども・若者に必要と判断された専門家からのアセスメントを受けることになります。(具体的には、SLT、EP、小児科医、OT、PTなど)
LAが必要と判断した専門家にアセスメントの要請を行い、保護者と子ども・若者がEHCニーズ評価に完全に関与できるようにする必要があります。
評価には、保護者や子ども・若者の自身の希望や考えが含まれ、子どもにどのような支援が必要だと思うか、保護者と子どもが将来に対してどのような願望を持っているかを明らかにする項目があります。また、子どもや若者と関わる人々(担任教師、SENCO、医師、行政のサポートチーム、教育心理学者などの専門家)からの情報や意見を求めることも含まれます。
有益な現地リンク
・What happens in an EHC needs assessment(IPSEA)
4.EHCP草案発行可否の決定(12~16週)
専門家のアセスメントやそこで得られた保護者や学校からの情報を踏まえ、EHCPが必要かどうかを決定します。地方自治体がEHCPが必要であると判断に至った場合、最終版発行前にDraft(草案)が共有されます。※草案の発行週には自治体による差あり
もしEHCPが必要でないと判断された場合、評価の請求を受けた日から16週間以内にその決定を申請者に通知しなければなりません。
EHCP草案の発行が承認された場合:
地方自治体よりEHCPの草案が送付されます。
保護者は15日間の猶予を与えられ、EHCPの内容について修正の要求をすることができます。また、この15日間の中で希望する学校を地方自治体にリクエストすることができます。
EHCP草案の発行をしない決定が下された場合:
地方自治体は16週目までにこの決定について通知する義務があります。この決定に対し、通知決定書に記載された日付から2か月以内もしくは調停証明書の発行から1か月以内に異議申し立てを行うことができます。通知書にその詳細が記されています。
有益な現地リンク
・What to do when you receive your draft EHC plan(IPSEA)
・What an EHC plan contain(IPSEA)
・Choosing a school/college with an EHC plan(IPSEA)
・EHC plan checklist(IPSEA)
5.EHCPの最終発行(16週~20週)
保護者や本人の希望する学校に対し、地方自治体は問い合わせ・協議を行います。学校はそれに対し15日以内に返答を行わなければなりません。また、保護者から受けた草案の修正リクエストも地方自治体は検討する義務があります。
変更の合意に至ったものに関してEHCPの内容は修正され、法定期限の20週までに最終版が発行されます。※地方自治体や状況により発行週には差あり
有益な現地リンク
・What to do when you receive your final EHC plan(IPSEA)
異議申し立ての権利について:
EHCP発行時、LAに指定された教育機関名やEHCPの支援内容についてSENDISTへ控訴する権利も同時に与えられます。
有益な現地リンク
・Appealing to the SEND Tribunal(IPSEA)